『イントロ』認知科学コーチング

1. 認知科学コーチングへの招待

皆さんは、いまの自分に本当に満足でしょうか?自信を持って言うことができるでしょうか?
皆さんは、「本音で生きて、満足できている」と、自信を持って言うことがでますか?

「本音で生きて、満足できている」その具体的な方法論がコーチングです。コーチングには様々あり、それぞれごとに微妙に定義が異なりますが、ここで扱うコーチングは、「認知科学に基づくコーチング」です。

認知科学とは、情報処理という観点から、生体(特に人)の知の働きや性質を理解する学問です。科学に基づいているので、誰にでも適用できるし、再現性もあります。

認知科学に基づくコーチングであなたが手にすることはなんでしょうか?

1、皆さん自身の本音に、正直に、素直に生きられます
2、皆さんの天才性を導き出し、無意識の創造性を活用することで、自分の想像を超えるパフォーマンスを発揮できます

あなたがこのような状況になることを想像したら、これから先の秘密を知ってみたいと思いませんか?

2.RASとスコトーマ

人の行動は、マインド(脳と心)の作用に大きく影響を受けています。これは、世の中で起こる全ての事柄に、無意識の中でマインドが優先順位付けをしているということなのです。

皆さんの無意識の優先順位によって、情報の取捨選択している脳の機能をRAS(Reticular Activation System、網様体賦活系・もうようたいふかっけい)と呼びます。無意識の優先順位によってRASが発火することでマインドが認識する情報を決定します

赤い車を購入した翌日から、世の中には、「めちゃくちゃ赤い車がおおくなったな」と思い、以前との違いを生んでるのはあなたのマインドの作用です。

逆に、車の例の反対側の浮かんでいない意識のことをスコトーマ(心理的盲点)と呼びます。思考だけに限らず、目で見てるもの、情報収集、状況把握でも全く同じで、目の前の人に沢山の可能性があると見えるのか、沢山のネガティブがあると見えるのかは気持ち次第なのです。

3.エフィカシー

RASを発火させて、ポジティブな見方をしていくためにはどうすれば良いのか?コーチングでは、その重要な概念を「エフィカシー(Efficacy)」と表現します。

エフィカシーとは、「ゴールを達成する自己の能力の自己評価」と定義されます。「自分ならやれる!」という根拠ない自信のようなものです。あなたにもそういう根拠のない自信に突き動かされた経験がありませんか?

エフィカシーと真逆の概念が「セルフエスティーム(Self-esteem)」です。セルフエスティームとは、「東大出身で頭が良くて優秀だ」みたいな自信なのですが、これは「現在や過去のポジションの自己評価」を意味しています。エフィカシーは未来に対しての「やれる気がする」という自信のことです。

エフィカシーが高い状態になると、RASが発火して、未来に向けて必要な情報が飛び込んでくるようになります。不思議な感覚ですが、皆さんが世界に対して重要だと思っていることが変化しているから起こることで、この仕組みも認知科学で明らかになっています。

ちなみに、これの真逆の働きをクリエイティブ・アヴォイダンス(Creative avoidance、創造的回避)と言います。マインドがネガティブになっていたり、そもそも無理だ、と思っているので、ダメな理由やできない理由ばかりに意識がいってしまうのです。あなたの周りにいる、できない理由ばかり言う人も、クリエイティブ・アヴォイダンスが発揮されています。

また、エフィカシーの天敵が、「Have to」です。
義務感だったり、「~ねばならぬ」という感覚で、周りの人や家族から言われたり、期待されたり、社会通念上や常識的に突き動かされること全て「Have to」です。「Have to」が増えれば増えるほど、エフィカシーは下がってしまいます。あなたも、日々の生活に「Have to」が紛れ込んでいるのでは?

4.ゴール

ゴールはエフィカシーと深い関係がある、重要な概念です。

コーチングにおけるゴールには、必要なことが3つあります。
1、「Want to」であること。「本音でやりたいことに生きる」これがゴールに必須です。
2、「現状の外側」であること。コーチングにおける現状とは、「現在の状況のままいけば十分に起こりうると予想される未来」のこと。「現状の外側」とは、今のあなたが想像できる限界の、さらにその外側というイメージです。
3、複数設定すること、ゴール世界にに臨場感(リアリティー)を持たせるために必要なことです。

現状の外側が大事な理由は、今想像できない方がより無意識が色々探そうと努力してRASを発火させるからです。逆に、想像できてしまうとRASが「役目終了」と判断してしまって興味が無くなってしまいます。なので、「自分が本音でやりたいと思って、今の自分じゃ想像できないくらいのぶっ飛んだゴール」を創ることが重要なんです。「想像の限界の外側」という定義により、あなたが自分で思いつくのは簡単ではないので、コーチがその役割を発揮します

複数設定することが大切、ゴールは、仕事に絞らず「人生の全領域」で設定していきます。具体的には、仕事、趣味、人間関係、社会貢献、知性、家族、健康美容、ファイナンス、といった領域です。あなたが現状の外側のゴールを達成するときに、仕事以外の人生の要素が現状のままっていうのは不自然ですよね?バランスホイールでゴール世界のデザインをし、未来を整合させていくわけです。

画像7

仕事:人・世の中の役に立ち、交易がなされること(対価を得られる)
趣味:人・世の中の役に立たないこと
人間関係:誰とつながっているか、どういう関係になるか
家族:パートナーや子どもにとって、どう在るか
社会貢献:自分の利益ゼロで、自分の重要度の外への貢献
知性:抽象度を高める、体系知識を身につける学び
健康・美容:上記のゴールに対して必要な体力・健康・休息・美容の在り方
ファイナンス:上記のゴールに対して必要な収入と資産

人生の全領域で、純粋にやりたいことで、自分すら想像できないぶっ飛んだゴールを掲げて、24時間を夢中で過ごす。これが正しいゴール設定のパワーです。

5.コンフォートゾーン

正しいゴール設定ができると、RASの発火により、世の中の見え方が一変します。今まで見えていなかった情報や人とのつながりがたくさん飛び込んできます。これまで大事にしていた考えが、なぜそれにこだわっていたのかも思い出せないくらい価値観が変わったりします。

ところが、ゴール設定をしてしばらく過ごしていると、「やっぱりこんな大胆なゴールは実現できるわけがない」とか、「自分には不相応なんじゃないか」と言った気持ちが芽生えてくる時があります。これは「コンフォートゾーン」による作用です。

無意識の優先順位を決めているのがRASという説明をしましたが、「コンフォートゾーン」とは、この無意識が集めている優先順位の集合体と考えてください。ゾーンというくらいなので、少し幅があるイメージを持ってもらえると良いと思います。このコンフォートゾーンというのはとても強力です。なにしろ「自分が大切だと思うものの集合体」なので、このゾーンの中にいるときはとても居心地が良いんですね。

コンフォートゾーンは「そのままでいたい」「現状維持したい」という意識を強烈に生み出します。この機能は、生命を維持する観点ではものすごく重要です。体温を平温に保ったり、心臓を一定の鼓動で動かし続けるなど、生きるためにはなくてはなりません。ただし、「変わりたい!」と思うときに、この機能は少しやっかいです。ダイエットにおけるリバウンドは、コンフォートゾーンによって現状に引き戻される典型的な例ですね。「変わろう!」と思っても無意識は「変わりたくない!」となっているわけですね。コンフォートゾーンは、あなたを危険にさらさないための人類が長い年月で培ってきた生命維持装置でようなもです。

コーチングでは、このコンフォートゾーンの強烈な現状維持機能を、マインドの作用によって逆手に取って、利用していきます。

「コンフォートゾーンをずらす」ということです。体温が平温で1つに一定しているように、私たちはコンフォートゾーンを1つしか持つことができません。ということは、コンフォートゾーンをゴール世界のほうにずらしてしまえば、「新しいコンフォートゾーン」に対して、強烈な現状維持機能が働くと言うことです。これにより、強烈な我慢や無理をすることなく、健やかに新しい現状に向かって進んでいくことができるようになるのです。

6.セルフトーク

正しいゴール設定を行って、エフィカシーが高まって、コンフォートゾーンがずれ始めても、新しいコンフォートゾーンに安定せず、すぐに元のコンフォートゾーンに戻ってしまう、といことがよく起こります。

これは、コンフォートゾーンが「臨場感の高い方に引き寄せられる」という性質があるためです。「臨場感」というのは、その場に身を置いているかのような感じのことなんですが、当然ながら、目の前の現在・現実の臨場感は非常に強力なんですね。そのため、「ゴールは夢の話だな」って捉えてしまいがちなのが脳の仕組みなのです。

そこでゴール設定以外にコンフォートゾーンをずらしていくための工夫としてセルフトークを活用していきます。

セルフトークというのは、自分に語り掛ける言葉のことです。これは私たちが日常的に行っていることなんですが、「そんなことできわけがない」とか、「私には無理かもしれない」とか、「私は能力がない・頭が悪い・学歴が無い」とか、条件反射的に頭の中で繰り返されてる言葉のことです。私たちは1日に何万回もこのセルフトークを使っていると言われています。

実は、マインドの作用の観点からみると、「臨場感」を決めるのは目の前で見えていることではないんですね。むしろスコトーマによって、私たちは自分が見たい世界しか見ていない。それよりも、セルフトークが語り掛ける言葉によって、言葉が脳に映像を出力する。そして、映像の情報によって感情が動く。その感情のパワーによって自己イメージを形成して、自己イメージが新しいコンフォートゾーンを作り上げる。この一連の作用がセルフトークがもたらすパワーです。

つまり、セルフトークを書き換えると、それが勝手に「ゴールの臨場感」を高め、エフィカシーを高く維持することにも繋がるわけです。従って、ゴールを達成した自分の人格を今の自分に取り込んで、未来の自分が使っていそうな言葉やフレーズをセルフトークとして毎日唱え続けてることで、新たなコンフォートゾーンが定着していくのです。

7.重要なのはゴールとエフィカシー

コーチングを始めていくための基本的な概念は以上です。もちろん、もっと細かい説明ややり方は存在していますが、それは実際にコーチングを進めていく中で、必要に応じて説明を行っていきます。

オールライフのゴール設定し、エフィカシー高い日々を過ごす。ゴールに向かう方法については、RASの発火に任せて、健やかに前進していく。これがコーチングを活用した生き方です!

さあ、以上で準備は整いました。世界は、あなたがまだ見ぬ冒険であふれています!!「自分の本音に夢中になって、最高のパフォーマンスを発揮する人生」に向けて、一緒に踏み出してみませんか?

1 COMMENT

現在コメントは受け付けておりません。